要約 2020-05-06 - (2nd) 檜山正幸のキマイラ飼育記
x.f = f(x) と x;f = fx の使い分けが難しくなるが、そもそもが使い分ける必要がないものなので、どっちを使ってもかまわない。気にすることはない。
集合論では、所属関係(記号'∈')と要素概念が基本。だが、圏論では要素概念は使いたくない。代わりに、ポインティング射〈ポインター射 | ポインター〉を使いたい。ポインティング射は、特定された対象を域とする射で、特定された対象は通常1と書かれる(人により書き方は違う)。
ポインティング射の域1は、集合圏なら(特定された)単元集合、圏の圏なら(特定された)自明圏とする。集合圏のポインティング射はポインティング写像であり、圏の圏のポインティング射はポインティング関手となる。
要素や対象(対象は、対象達の集合の要素)という概念を排除した場合は、適用 f(a), F(A) も意味を失う。これらは、(a:1→X) と (f:X→Y) の結合, (A:☆→C) と (F:C→D) の結合、の略記法となり:
- f(a) := a;f (縦結合の略記) in Set
- F(A) := A*F (横結合の略記) in CAT
この略記の約束のもとでは:
x.f = f(x) と x;f = fx の使い分けが難しくなるが、そもそもが使い分ける必要がないものなので、どっちを使ってもかまわない。気にすることはない。