一次方程式と微積分の基本定理

一次方程式$`V, W`$ は有限次元とは限らないベクトル空間とする。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\mbf}[1]{ \mathbf{#1} } `$ $`f:V \to W`$ を線形写像、$`b\in W`$ として、次の形は $`x`$ を未知数とする一次方程式である。$`\quad f…

線形代数、最初の重要項目

(抽象的・公理的に定義された)ベクトル空間を知る。 ベクトル空間の基底を知る。 基底とは、線{形 | 型}独立〈一次独立〉な生成系。 要素に順番が付いていても付いてなくても「基底」と呼ぶことが多いが、“狭義の基底”と“フレーム”の違いには注意したほう…

行列の問題のヒント

$`AB = I`$ だが $`BA \ne I`$ である正方行列 $`A, B`$ があるか? という問題。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\mbf}[1]{\mathbf{#1}} \newcommand{\id}{ \mathrm{id} } `$次の仮定をする。 $`A`$ は線形写像 $`f:\mbf{R}^2 \to \mbf{…

「順序のあるなし」とかが伝わりやすいか

「順序のあるなし」、「順序がいつどこで導入されたか」などは、意識する必要がある。明示的コアージョン、暗示的〈暗黙の〉コアージョンについては「ブール型と自然数型の明示的なコアージョン」参照。明示的コアージョンは煩雑になるので「やれ」とは言わ…

線形写像の核と像

$`f:V \to W`$ の核とは:$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} }\newcommand{\mbf}[1]{\mathbf{#1}}`$$`\quad \mrm{ker}(f) := \{v\in V\mid f(v) = 0 \}`$$`g:U \to V`$ の像とは:$`\quad \mrm{img}(g) := \{v\in V\mid \exists u\in U.\, g(u) = v \}`$ …

ゼロ・イコール・イチ

$`R`$ を環(可換である必要はない)として、記号の乱用で、$`\quad R = (R, +, 0, \cdot, 1)`$と書く。まず、$`0\cdot x = 0`$ を示したい。そのためには、次を示せばよい。$`\quad \forall r\in R.\, 0\cdot x + r = r`$ベクトル空間のときと同じ議論を繰…

ゼロをかけたらゼロ

ベクトル空間とその台集合を、記号の乱用でどちらも $`V`$ と書く。スカラーのゼロとベクトルのゼロを混同しないように、ベクトルのゼロは太字で $`\newcommand{\Z}{\mathbf{0}}\Z`$ と書く。次を示したい。$`\quad \forall x\in V.\, 0\cdot x = \Z`$ 準備 …

襟付きレベル付きコボルディズム for 熱力学

熱力学? : 通常のパスではなくて、区間 $`[0, 1]`$ を底空間とする位相的バンドルを考えて、そのセクションを考えればいいのかも知れない。実数でパラメトライズされた位相空間の族を対象物とすることになる。それで公理5を解釈出来るかも知れない。 この…

熱力学?

変数の約束:$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1} } \newcommand{\In}{\text{ in }} \newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1} } \newcommand{\mbf}[1]{\mathbf{#1} } \newcommand{\u}[1]{\underline{#1} } \newcommand{\Imp}{\Rightarrow} \newcommand{\Iff}{\Lef…

演繹系の輪郭

この記事は書きかけ、書き上がったら本編に投稿してここからは削除。「演繹系とオペラッド」で述べたように、演繹系とはオペラッド〈複圏〉の生成系です。考察すべき対象物は、演繹系そのものより、演繹系で生成された自由オペラッドです。論理では、「どん…

2色の色付き集合

colored set は色の集合への関数を持つ集合 two-colored set は二元集合への関数を持つ集合 その射は、色を保存する関数

証明の日本語書き出しとは

むかーしから言っている事なのだが: 証明を、数式混じり日本語テキストで書くことは望ましくない。 と主張しても、皆んなが使える代替手段があるわけでもないので虚しいのだが。‥‥ 虚しいのだが。‥‥ あー、虚しい(泣)。説明の例は ↓これを、ストリング図の…

絵図主義者の証明法 (6)

短い説明は、「証明のやり方」。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\Imp}{\Rightarrow} \newcommand{\LL}{\langle} % List Left \newcommand{\LR}{\rangle} % List Right \newcommand{\T}[1]{\text{#1} } \newcommand{\hinfer}{ \rightrighta…

絵図主義者の証明法 (5) すべての規則

「規則」はテクニカルタームで、証明規則または導出規則〈リーズニング規則〉である。規則は、基本的〈basic | primitive | atomic | elementary〉で組み込み〈builtin〉な関数またはマクロのこと。$` \newcommand{\Imp}{\Rightarrow} \newcommand{\LL}{\lan…

絵図主義者の証明法 (4) 用語用法用例付き

形容詞+名詞 グラフの扱い方 同義語 形容詞+名詞グラフに関連する「形容詞+名詞」の用法・用例を、この機会に述べておく。グラフの特性として: 有向か無向か? オープンエッジを許すか許さないか? 多重辺を許すか許さないか? 次の形容詞を使えば整合的…

絵図主義者の証明法 (3)

例によって例のごとく、分野・コミュニティごとに同じ概念に違う名前を付けている。ほとんど同義でも、一般・特殊の関係だったり、少しずれていたりして、一対一の単純な対応表が作れないのが悩みのタネ。 「コンテキスト」、「指標」、「広義の公理系」は同…

絵図主義者の証明法 (2)

基本的な事項: 証明は、上下にポート(境界上のドットか、どこにも繋がってない短いワイヤーで描く)を持つボックスである。 証明には、順行〈forward〉と逆行〈backward〉がある。しばしば、証明の順逆〈forward or backward〉をワイヤーの向きで描くが、…

絵図主義者の証明法

基本は、ワイヤー&ボックス、つまりストリング図 ワイヤーのラベルが長くなるので、吹き出しに入れる。吹き出しはラベルを囲む枠でノードではない。 ボックス〈ノード〉は四角、または棒〈バー | スティック〉で描く。ノードのラベルは四角の内部、または棒…

モノグサか正式な規則か?

$`\lambda`$ や $`\forall`$ は省略されることが多い。$`\forall`$ に関しては次の2つのケースがある。 モノグサ: 書くのがめんどくさいから省略。 推論規則: 全称限量子 $`\forall`$ の消去〈elimination〉規則を適用した。 証明の途中で全称限量子は正式…

日本語の言い回しと論理式

$`\newcommand{\u}[1]{\underline{#1}}M = (\u{M}, (*), e)`$ をモノイドとして、例えば可換律は:$`\quad \forall x, y\in \u{M}.(x* y = y*x)`$次の正規表現で表される言い方は事実上同じ。 {可換 | 交換}{法則 | 律} 可換性{の}?{条件 | 公理} 可換性〈可…

2×2行列の例

実数係数の2×2行列だけを考える。$`O`$ はゼロ行列、$`I`$ は単位行列。次のような行列の例を挙げよ。 $`A B \ne B A`$ である $`A, B`$ $`A^{-1}`$ を持たないが $`O`$ ではない $`A`$ どちらも $`O`$ ではないが、$`A B = O`$ となる $`A, B`$ $`O`$ でも …

証明のやり方

(数学の分野としての)論理を学ぶには、事前に、他分野(解析とかトポロジーとか)を学ぶ場合と同等な論理的能力が要求される。「箱を開ける鍵は箱のなか」状態となり、ラチが明かない。証明のやり方(How to Prove)ということなら、「みんなが使っている…

続・発言の数理モデル

形式的定義 定理 問題 $`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\hyp}{\text{-} } \newcommand{\id}{\mathrm{id}} \newcommand{\In}{\text{ in } } \newcommand{\ie}{\text{i.e. }\: } \require{color} % 緑色 \newcommand{\Keyword}[1]{ \textcol…

発言の数理モデル

次の2つのタイプの発言を考える。 ~ は成立するぞ。 ~ は成立しないぞ。 「~」の部分は、等式・不等式などの命題。構文をキチンと約束すれば「~」の部分は論理式だとしてよい。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}`$発言の定式化〈数理モデリング〉とし…

呼び名・書き方の違いは無視する!

全称限量子が関数と思えないのはなぜか? 「限量子が関数なわけない」という思い込みもあるだろうが、独特な呼び名と書き方が大きな原因だろう。呼び名・書き方は習慣・伝統だから変えられない。が、個人・集団内で、一時的に変えるのは自由だ。フルスペルで…

ブール値関数の基礎事項

ブール値関数の基礎事項をまとめる。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\hyp}{\text{-} } \newcommand{\id}{\mathrm{id}} \newcommand{\In}{\text{ in } } \require{color} % 緑色 \newcommand{\Keyword}[1]{ \textcolor{green}{\text{#1}} …

論理の方言

どんな分野でも固有の歴史と文化があるから、分野固有の用語を変えることは(ほぼ)出来ない。が、翻訳することはできる。以下、ブール値とは、「true としての 1 または false としての 0」のこと。 論理の方言 普通の言い方 述語〈predicate〉 ブール値の…

ほんとに基本的な同型

ほんとに基本的なんだけど、納得も利用もなかなかに難しいようだ。が、ほんとに基本的なんだから納得してくれ。ほんとに基本的な同型による対応は、場合により同一視に使われる。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\In}{\text{ in }} \newc…

「ならば」問題の対処法

古典論理の「ならば」を誤解・曲解したままで、「ならば」を使えない/間違える人は多い。「前件($`\Rightarrow`$ の左側)が偽なら含意命題は真」というところがカナメ。$`\Rightarrow`$ は演算記号で関係記号ではない。のだが、関係記号としてもオーバー…

アルファ図法/V字論法と列挙確認

有限集合だけを考える。 $`A = \{a_1, a_2, a_3\}`$ $`B = \{b_1, b_2\}`$ $`C = \{c_1, c_2\}`$ $`A`$ を次のように描く、$`B, C`$ も同様。 関数も関係も集合だと思えば列挙可能。有限集合の世界では、あらゆるものが具体的に列挙可能。 関数は逆関数が作…