メモ

トピック 7: 基数の算術と集合の算術

有限集合に限定すれば、集合 $`A`$ の基数 $`\newcommand{\card}{\mathrm{card} }\card(A)`$ は自然数だとしてよい。 足し算: $`\card(A + B) = \card(A) + \card(B)`$ 掛け算: $`\card(A \times B) = \card(A)\times \card(B)`$ 累乗〈指数〉: $`\card(B…

絵の描き方 4: テンソルの縮約

「絵の描き方 3: 行列の掛け算」の続き、テンソルは主にブーリアン係数。ストリング図: 左から右に向きを付けているが、実際は向きは不要。https://tensornetwork.org/diagrams/ が向き無しのテンソルなので、参照するとよい。 ストランド図: 赤いグニョ…

絵の描き方 3: 行列の掛け算

ストリング図: 行列の掛け算は反図式順なので、右から左に描いてみた。 行列の掛け算: $`a\in X`$ と $`c\in Z`$ を固定して、$`h`$ の $`c`$行$`a`$列成分 $`h(c\leftarrow a) = h_a^c`$ を計算する。 赤いグニョグニョ矢印に沿って、$`y\in Y`$ を同時並…

絵の描き方 2: 基本の描画法

「絵の描き方」の続き、あるいは詳細化。絵の実例を付ける。いつも思うのだが、 なんで描かないの? ベン図が基本: 集合はひろがり 要素は一点 風船図: 集合(ひろがり)がいくつか集まっている。 “集まり方”は、直和もあれば、合併もある。 集まりのメン…

トピック 6: 累乗、順列、階乗

$`X, Y`$ を集合として、次のような記法を使う。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1} }`$ $`\mrm{Map}(X, Y)`$ : $`X`$ から $`Y`$ へのすべての写像の集合 $`\mrm{InjMap}(X, Y)`$ : $`X`$ から $`Y`$ へのすべての単射写像の集合 $`\mrm{BijMap}(X, Y)`$…

絵の描き方

抽象的な概念に対してメンタルモデルを作るには、絵を描いたり簡単で親しみやすい事例を見つけたりする。現在の数学における概念的事物は、集合と写像から構成されるから、集合と写像を絵に描く技法は重要。とはいえ、特に変わったやり方があるわけでもなく…

トピック 5

トピック 4 の続き。直積による$`r`$乗は関数集合〈function set〉だと思ってよい。$`\newcommand{mrm}[1]{\mathrm{#1}}`$$`X \times \cdots \times X = X^r \cong \mrm{Map}(\bar{r}, X)`$$`x\in \mrm{Map}(\bar{r}, X)`$ に対して、引数 $`i\in \bar{r}`$ …

トピック 4

「一度選んだモノは選ばないとして順番に選ぶ」ことの定義として、$`\{(x_1, x_2, \cdots, x_r) \in X^r \mid x_1\in X, x_2\in (X\setminus \{x_1\}), \cdots \}`$これでも意図は汲めるし、間違いではないが、左から右へと時間に沿って新しい集合 $`X\setmi…

トピック 3

何年か前に、twitter上で「確率の定義」でプチ炎上してたことがあったなぁ。ご本人(当事者、本の著者)のツイートは削除されているようだけど、痕跡は発見。 https://twitter.com/sekibunnteisuu/status/1366579568908275712 本を写した写真を読み取ると: …

トピック 2

$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}T`$ も $`S`$ も整数の集合 $`{\bf Z}`$ の有限部分集合(おそらく離散区間)、そのあいだの関数の集合は、$`\quad \mrm{Map}(T, S)`$ (有限集合)$`S`$ は、$`{\bf Z}`$ から引き継いだ順序 $`\le`$ を持つので、次の…

トピック 1

$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}f_\mrm{The}`$ は、ひとつの確定したThe・関数とする。The・関数は、離散時間変数 $`t`$ の関数で整数値を値とする。$`t`$ が走る域〈domain〉は $`{\bf Z}`$ の有限部分集合 $`T \subset {\bf Z}`$ とみなせる。したが…