以下のナントカの例に対して、実例がほんとにナントカであることを証明(自分で確信が持てるまで確認)せよ。素材である集合と関数は与えられているので、法則を満たすことを証明すればよい。
※ 練習問題の解答は「解答(特にないけど): 第1回 宿題+追加説明 (C A5R1)」にあります(ないけど)。
モノイドの例
モノイドの定義は p.9。
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- Nは特定の集合(自然数の集合)
- モノイドの書き方は p.9
- N≧1 = {n∈N | n≧1}
- Mat[N](2, 2), ・, I2 は行列の圏の説明参照。I2 = I(2)
- max(x, y) = if (x ≦ y) y else x
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- ∞ は自然数でなければなんでもいい。順序の定義は下の個別固有な定義を参照
- min(x, y) = if (x ≦ y) x else y
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- ⊥はなんでもいいが、Xには含まれないモノ。記号'⊥'('T'のひっくり返し)は「ボトム」と呼ぶ。
- leftは、下の個別固有な定義を参照
- プラス記号をオーバーロードしている。通常の足し算とは違う。下の個別固有な定義を参照。「「イチ、ニ、サン、イッパイ」の算数と分配代数」も参照。
- Pow(X)、∪、∅ は、別資料「補足: 基本的な概念・用語」参照。参照しても説明はないけど。
- ∩も、別資料「補足: 基本的な概念・用語」参照。
- △は、下の個別固有な定義を参照。
- ♡は、下の個別固有な定義を参照。
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- 一般に、集合 A, B に対して、Map(A, B) は、AからBへのすべての写像からなる集合。
- ; は写像の結合〈合成〉の図式順〈{diagrammatic | graphical | pictorial} order〉演算子記号。図式順とは「左が先〈前〉、右が後」の順序のこと。
- idXは、集合Xの恒等写像。∀x∈X. idX(x) = x
- X*、#、ε については、「補足: 基本的な概念・用語」のリストのところを参照。
- 自明モノイドとは、要素がただ1つであるモノイド。
半環の例
半環の定義は p.9。
- お馴染みだろう。
- 行列の圏の説明参照。
- 間違い訂正して max。
- Xの部分集合の半環、∪が足し算。
- Xの部分集合の半環、∩が足し算。
- 間違い訂正して max, 1。△は、下の個別固有な定義を参照。
- (M, ・, e) はモノイドで、
- ∪、∅ は集合の演算と空集合。
- A, B∈Pow(M) に対して、A◎B = {x・y∈M | x∈A かつ y∈B}
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- MonMap(N, N) = {f:N→N 写像 | ∀n, m∈N. f(n + m) = f(n) + f(m)} = (足し算すると値も足し算になる写像の集合)
- 写像の足し算は、(f + g)(n) = f(n) + g(n)
- ∀n∈N. C0(n) = 0
- ; は写像の結合〈合成〉の図式順演算子記号。
- IdNは、Nの恒等写像。大文字'I'になっているのに意味はない。
順序集合の例
順序集合の定義は p.8。
- お馴染みだろう。
- お馴染みだろう。
- 集合の包含関係、お馴染みだろう。
- A, B∈Mat[N](2, 2) に対して、A≦B ⇔ ∀i, j∈{1, 2}. Ai,j ≦ Bi,j
- (A, ≦) を順序集合として、f, g∈Map(X, A) に対して、f≦g ⇔ ∀x∈X. f(x)≦g(x)
- (n, m), (n', m')∈N2 に対して、(n, m)≦(n', m') ⇔ n≦n' かつ m≦m'
- これは次回説明する。
圏の例
圏の定義は p.10。
- しりとりの圏 →「はじめての圏論 その第1歩:しりとりの圏」参照
- 行列の圏 →「はじめての圏論 その第2歩:行列の圏」参照
- p.7 の「そう言えば」の圏
[補足]「そう言えば」の圏は、サンプルのために作為的にでっち上げた印象があります。が、少し変更すると、特定の状況で実際に出現する圏です。
有限体の圏をFinFieldとします。FinFieldの射は、体の拡大(体のあいだの単射準同型写像)とします。有限体Fの、集合としての基数〈cardinality〉を card(F) とします。i:F→F' という拡大(単射)が存在するなら、crad(F)はcard(F')の約数になるので、card:FinField→(Nの約数倍数順序からのやせた圏) という関手になります。この関手の像圏は、「そう言えば」の圏を少し縮めたものです。[/補足]